マイルスのリズムとブレイキーのフロントが合体したアルバムが悪いわけが
ない。本作はハードバップ30選に名を連ねる(かも知れない)名盤中の名盤。
現在の視点で考えると『オールスター・セッション』なのだがマイルスの
フロントとブレイキーのリズムが一緒に演る事は、この時代にはさすがに
なかったわけでモダン・ジャズの牽引車たるリーダー達の下、腕を磨いて
いた若き名手たちが集まって出来上がった名作と言う位置づけが適切だろう。
2管フロントのハードバップ特有のファンキー・タッチと、特にフィリー・ジョーを中心にこのリズム・セクションのグルーヴ感は凄まじい物がある。
さらに、そこへ持ってきて、リー・モーガンのトランペットが炸裂! ときたもんだ。
ただ一つ、問題があるとすればハードバップの鬼っ子ウェイン・ショーターの存在で、オリジナルを
2曲も提供した上に、全編にあの奇天烈サックスが宙を舞う。
本アルバムがウェイン・ショーター初録音と言うのだから驚きだ。
これもまた良し。 ハードバップという時代の懐の深いところだ。
Wynton Kelly / Kelly Great
ウィントン・ケリー/ケリー・グレイト
ウィントン・ケリー/ケリー・グレイト に加筆・修正を加え転載。
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